俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「…………劇団を救ってくれるって……何か裏でもあるんでしょう?」
玲二は幼馴染ではあるが赤の他人。それも数年前に顔を合わせたきりの関係だ。
突然私の前に現れたこともそうだが、何故そのようなことを言い出したのか気にもなっていた。
玲二は「ああ」と頷き、朧げに視線を逸らす。
質問する私に対し玲二は真顔になり、どこか言葉を躊躇しているようにも思えた。
だがそれも一瞬で終わり、玲二は憎らしいほどの整った顔でどこか嘲笑うように答える。
「端的に言うーーーーこはる、俺の妻になれ」
その瞬間、私の周りの空気が固まったような心地がした。