俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
月ノ島玲二という男は先に述べたように私の幼馴染だった。
彼との出会いは私が産まれたばかりの頃らしく、その頃の記憶はないのだが生後間もない私を抱っこしてくれたらしい。そんなことを母が言っていたことは記憶に残っている。
私の母と玲二の母は20年来の付き合いであり、その縁で幼い頃は度々会っていた。物心つかないときの私は年上の玲二をまるで実の兄のように慕っており、その様子を見た母たちが私の成人とともに婚約させようとなどと画策していたことも聞いている。
けれどそれは実現することはなかった。
理由は簡単。
私が玲二を拒絶したからだ。
それは私が17の高校生で、玲二が26の頃だった。
その頃の玲二はかなり荒れており、特に女性関係に関しては乱れていた。理由は深く追求したことがなかったため理由は分からないのだが、想像するに彼の実家関連でいろいろな問題があったのだろう。