俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「…………で、そのあとどーなったの?」
「ああ、それはーー」
私は香澄の質問に対し、何故だが口籠もってしまう。それでも期待を宿した瞳を向けられ、まごまごと答える。
「……特に、なにも」
「は、はあ!? それだけ頑張って、何もなかったの? なにそれ! 月ノ島玲二ってもしかしてヘタレだった? こはがそれだけ頑張ったのに!」
「へ、ヘタレって……」
あの俺様な玲二はヘタレとは対局に位置する存在としか思えないが、香澄の言葉にくすりと笑いが込み上げてくる。
あのとき、ためいき橋で自らキスをしたあと。私たちはそのまま特に言葉を交わすことなくホテルにて別れた。
日没で冷えてきたこともそうだったが、玲二のスマートフォンに仕事関係の電話が入ったことも関係していた。私自身も自分の行動に照れがあり、うまく感情を制御できなかったということ理由の一つだった。
そそくさとチェックインしてあったホテルへ戻り、一人で眠りについた。