俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 けれど、なぜだか心臓がちくりと痛んだ気がした。


「こは? 大丈夫? ぼーっとして」

「は、はいっ、すみません香澄先輩。なんだか寝不足で」

「まあそりゃそうよね。最近こはの載ってる広告よく見るようになったしね。今日だって電車に乗ってる時に見かけたし、なんならその広告みて、こはの噂してる人もいた! 『この女優綺麗だよね』って」

 香澄の言葉に「はははっ」と笑いをこぼす。

 そう。帰国して2ヶ月が経ち、ヴェネツィアで撮影した広告が全国へと広がった。たった2ヶ月前のことなのに、大分遠い昔のことのように感じる。

 昨日もテレビを観ていた際ルナトーンのCMが流れており、自分の姿に落ち着かない気持ちになったものだ。

「で、旦那とは最近なにか話してないの? ほら、こはのCMみて何か感想とか……」

「それが……ここ2ヶ月、まともに会えていないんです」

 そう告げると香澄は目を丸くした。
< 118 / 291 >

この作品をシェア

pagetop