俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
帰国してからというものの、玲二はルナトーンの件もあり何かと忙しくしていた。そして私も芸能関係の挨拶回りであったり、劇団関係の練習だったりと家を空けることが多くなっており、玲二とすれ違ってばかりで。まともに会話する暇など取れていなかった。
つまり、最後にきちんと話をしたのはあのゴンドラに乗ったときで、共に寝たのもヴェネツィアに行く前ということになる。
それを伝えると、突如香澄が怒りをあらわにし始めた。
「な、何それっ! 月ノ島玲二ってば、こんな可愛いこはを置き去りにして……ほんっとダメなやつね!」
香澄はその彫りの深い整った顔を歪めて怒り狂った。彼女はハーフであり、母親がフランス人で父親が日本人である。綺麗なグリーンの瞳が私を貫き、一瞬たじろぐ。
私が怒られているわけではないのに、どこか身の置き場がないのは香澄の迫力のせいだろう。