俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

「そういや、映画の主演に決まったんだってな。プロデュースは俺の管轄外だったから、内山から聞いて初めて知った」

「はい、そうなんです。聞いた時は驚きすぎて言葉も出ませんでした。……撮影は1週間後くらいからなので、今ちょうど台本読み込んでいる最中です」

「そうか。……んで、どんな映画なんだ?」

 玲二の言葉に一瞬口籠るのは致し方ないことだった。目を逸らしつつ、出来るだけ冷静を心がけて口にした。

「ラブストーリーです。小説の実写化だそうですよ」

「へぇ……ラブストーリーね」

 スッと目を細め、わたしのことを観察する。
 玲二の瞳がどこか暗いところへ沈んでいくような気がして、ぞくりと背中を震わせる。
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