俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

「…………って感じで忙しすぎて家に帰る暇もなかったんだ。くそっ、マジで親父潰す」

「……ははは、そんなに大変だったんですね。通りで顔を見ないと思いました」

「まあな。こっちは内山を通してお前の状況は伝え聞いていたがな」

 私のマネージャーをしつつ、玲二の秘書も兼ねている内山は一体いつ身体を休めているのか心配になる。強面な彼はほとんど表情を変えることもないから、内心ロボットなのではないかと疑いつつあった。

 机に並べられた料理は先ほどわたしが作ったものだ。もちろん以前雑貨屋で購入した夫婦茶碗も揃いで使用しており、並べられたそれらに顔が緩むのは私の心が色々と変化したからだろう。

 自らの手料理の出来に満足しつつ舌鼓をうっていると、同じく箸で料理をつついていた玲二が口を開いた。
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