俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

「とりあえず立ち話もなんですし、中へどうぞ。……お茶くらいなら出します」

「へぇ、一人暮らしの部屋に男を入れるようになるとは……こはるも成長したんだな」

「…………変なことを言ってないで早く入ってください」

 年上面をする一面は昔と変わっていない。
 男の人を部屋へと招き入れることは初めてであったが、この際仕方がない。
 数年会わなかったとはいいつつ、この男とは長い付き合いでどういう人間性なのかは分かっているつもりだ。それに母同時の繋がりもある。

 鍵を開け、質素な部屋へと招き入れると玲二は中を見渡して言う。

「なんていうかお前らしい部屋だな。もっと年頃の女らしく可愛いぬいぐるみでも置いてみたらどうだ?」

「何もない部屋で悪かったですね。……そこに座ってください。今、お茶をお持ちしますから」

 玲二の皮肉は華麗に受け流し、台所にて湯を沸かしながら考える。
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