俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 応接間を出ると、劇場を案内してくれた初老の男とばったり会った。先に声をかけてきたのは相手側だった。

「おや? お帰りですかね。……花宮くんもどうやら表情がすっきりしたみたいだね。よかったよかった」

「団長…………ここ数日、大変お世話になりました。団長のおかげで、色々見失っていた自分に気づくこともできました」

「そうか、それはなにより」

 団長と呼ばれたその男は朗らかな笑みを見せる。俺もこはるが世話になったことに対して礼を述べ、劇団を後にした。

 車に乗り込み自宅へ向かう途中、俺は助手席に座るこはるに尋ねる。

「……疑問に思ったんだが、どうして自宅じゃなくてあの劇団にいたんだ?」
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