俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 遠藤の柔和な笑みは清々しく、彼もようやく様々な気持ちに見切りをつける決心がついたのかもしれないと密かに感じた。

「玲二さんの後押しもしてくれたんでしょ? 本当に遠藤くんは優しいね」

「見てられなかっただけだよ。二人を引き裂いてしまったっていう罪悪感もあったし」

「彼、口ではぶつくさ言ってたけど、多分遠藤くんのこと認めてる。だって本当にやろうと思えばこの映画だって降板させる力あるもん。それなのにそれをしないってことは、きっと遠藤くんの努力を知ってるんだよ」

「たしかに月ノ島の御曹司だったら余裕で出来そうだ……今考えると無謀なことしてたな、俺」

 私たちは向かい合って笑う。
 そして「また明日の撮影で」と手を振り合って別れた。心のわだかまりが消えたことで、この日はぐっすりと眠ることができた。
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