俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「お前、キス、ド下手くそ」
玲二はそう言い残し、後部座席に乗り込んで去っていった。
置いていかれたかのような私は未だ高鳴り続ける鼓動を無視し、怒りを撒き散らすかのようにわざと足音を立ててアパートの階段を登る。
赤く染まった顔を認めるのは癪で、鼻息荒く203号室の前に立つ。
「あいつなのに……なんで嫌じゃないの……」
私は細い声で呟くと力が抜けたかのように蹲る。そしてその場で頭を抱え、声にならない声をあげるのだった。