俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「…………やっときたか、こはる」
地を這うような低音ボイスに思わず身体を震わせる。口を戦慄かせ、目を見開いた私は咄嗟に後ずさった。
「……な、なんであなたがここに……」
切長な瞳にすっと通った鼻梁。モデルのように整ったパーツが小さな顔に収められている。
スーツのせいで余計にスタイルの良さを存分に引き立たせているその男は私のよく知る人物。
昔からの幼馴染であるーーーー月ノ島玲二だった。
たしか9つは離れていたはずで30は越えているはずなのだが、その端正な顔立ちは衰え知らずだ。 私が成人してからほとんど会っていなかったはずの彼が何故ここにいるのだろうか。
疑心暗鬼に陥りながらも玲二に近づく。
「3年ぶりだな、こはる。元気だったか?」