俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「今回の撮影ではルナトーンの神作で化粧を施したお前がヴェネツィアの各名所を巡るというシンプルな構成だ」
「こういうのもあれなんですけど、私、こういう本格的なロケは初めてで……」
今までは演劇ばかりしてきた私にとって、撮影というものは身近なものではない。
幼い頃、母に連れられて何度か現場に足を運んだことと、女優を目指してから何度かエキストラとして参加したことはあった。だが、自分がメインとなる撮影は今回が初めてだ。
緊張で手が冷え、心臓の高鳴りが鎮まらない。落ち着かない様子で口を開いた私に対し、玲二はぽんと頭に手を添えた。
「全員初めは初心者だ。あまり気負うな。今回は『自由』であることがテーマなんだから、普段通りに振るまえ。カメラを気にするな」