俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
そんなことを言われても、緊張感は拭えない。小さく返事を返しながらも顔の強張りが解けないことに気がついた玲二は少し考え込み。
「こはる、こっち向け」
「……?」
言われた通りに顔を向ける。
玲二の顔つきは真剣で。
「難しく考えすぎるな。お前は女優。ここは舞台。ただそれだけのことを考えろ。普段通り振るまえとは言ったが、芝居をするなとは言ってない。ーーつまり好きな通り、お前が思うように自由に芝居をするんだ」
「…………!」
目を見開き、玲二の迷いのない双眸を真っ直ぐに見つめる。かち合った視線を外すことが出来ず、数秒見つめあった。
先程までの私は撮影のために特別なことをしなければとしがらみに囚われ続けていた。
だが、玲二が伝えたかったのはそうではなく、ただいつも通りに芝居をすればいいだけとのことだった。