伯爵令嬢は無口な婚約者から愛の証を貰いたい
 またグレンは無口になった。リーバイと行ったことは、下手に隠しても仕方ない。街歩きの経験も、オシャレなレストランも、リーバイが教えてくれたようなものだ。どうしても、彼の名前がでてしまう。

 無言で馬車に乗りながら、メイティーラはこの後、どうやったらパンツを履いていないことを伝えられるだろうかと、そのことばかり考えていた。

 馬車の中は、二人きりだ。向かい側に座るグレンに、スカートを少し上げて、足を組む仕草をすれば、もしかしたら気づいてくれるかもしれない。

 そーっと、メイティーラはさりげなくスカートの裾を上げ、膝にかかるところに置いた。そして、足を組む。

 向かい側のグレンはさっきから、腕を組んで下を向いている。これでは私の方を見ていない。声をかけないと、と思ったが言葉がでない。

――ガタンっ――

 急に、馬車は縁石に乗り上げたのか、傾いて止まった。その衝撃で、メイティーラは座席から滑って落ちてしまった。その瞬間、ふわっとスカートがまくれ、グレンの目の前にはメイティーラの裸の臀部があった。

「―――!!!―――」

 その衝撃で、グレンは動くことも出来ず、声をかけることも出来なかった。

「い、いったぁ・・・」

 滑り落ちた衝撃で、メイティーラは少し足を打っていた。

「あ、だ、大丈夫か」
「は、はい・・・」

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