伯爵令嬢は無口な婚約者から愛の証を貰いたい
 その声でようやく我を取り戻したグレンは、メイティーラに手を差し伸べて、座席に戻した。

二人はまた、無言になった。

 グレンは先ほどの姿勢と変わらず、考え込むように腕を組んだ。


◇ ◇ ◇


 丘の上のレストランに到着し、馬車がとまった。少しお昼の時間より早かったおかげか、まだ席に余裕があったので、窓際の景色の良い席に、二人で座った。

―――さっき、見えたかしら。でも、グレン様の様子は変わらないから、見えてないわよね。察してほしいだけで、パンツを履いていない姿を見せたいわけではないし。もし見られてしまっていたら、とんでもないわ。

 背中にいやな汗が流れる。なんてアホなことをしているのだろう、と思ったが、もう遅い。自分を鼓舞するため、自分のショーツは持ってきていない。あくまでも、グレンから貰いたい。

―――でも、今日は貰える感じもしないし、仕方がないから、グレン様用に持ってきた、男性用のパンツを履こうかしら。

 そう思ったメイティーラは、お手洗いに行くふりをして、男性用のパンツを履くことにした。もう、お尻は寒いし、さっきのようなことが起これば、恥ずかしくて仕方がない。

「君は・・・先ほどの店に寄りたかったのかな」
「え、さっきの店、というのは、ランジェリーショップですか?」
「あ、ああ」
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