伯爵令嬢は無口な婚約者から愛の証を貰いたい
 今日は、パンツを履かない、なんて馬鹿げた命令を彼女にした。それを真面目に守っているのだろう、終始メイは、緊張している感じだった。どうせ、あの愚図な男のことだ。今日のパンツを用意することなんて、できないだろう。

 愛しいメイ。緊張しながら、僕のことを思い出すといい。後で父親のエルドバ伯爵に、今日メイがパンツを履かなかったのは、グレンのせいだと話をすり変えてしまえば、婚約もなくなるだろう。

そうすれば、僕の番だ。既に家族とは話をしてある。2年前は気づくのが遅すぎたが、今回は間違えない。何としても、メイを手に入れてやる。

 リーバイは、二人を見送りながらも、二人で会うのは今日で最後だ、と、黒く微笑んでいた。


◇ ◇ ◇


 ゴウ侯爵家に来るのは、久しぶりだった。広い庭園には、季節ごとに花が植えられていて、いつでも散策することが楽しめる庭だった。

「今日は、街歩きをすることができて、楽しかったです。ありがとうございました」

 庭園の東屋に来て、ようやく落ち着くことができた。

「でも、やっぱり人混みは苦手かもしれません」
「・・・そうか」

 ここに来ても、無言になってしまう。風が心地よく吹いていた。

「君に、一つ聞きたいことがあるのだが・・・」

 少し迷っている感じで、グレンは質問をした。

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