伯爵令嬢は無口な婚約者から愛の証を貰いたい
「ああ、君にあんなことをさせるほど、悩ませていたなんて、申し訳ない」

 そう言って、グレンはメイティーラの頬に流れた涙を、その唇で拭った。その唇は、頬から、順に下に行き、二人の唇が重なった。

「グレン様・・・嬉しい」

 二人の想いが、初めて重なった。言葉は少ないが、グレンは自分のことを、大切にしてくれている。

「その・・・すぐに履いた方が、君のためのように思うのだが」
「えっ、あ、はい」

 グレンは、メイティーラが既に男性用のパンツを履いていることに、気がついていない。メイティーラは少し考えたが、すっと立ち上がった。

「グレン様、少し目をつむっていてください」

 そう言うと、履いていたパンツを脱いで、プレゼントでもらったパンツを履きなおした。

「メイティーラ、今、君が履いていたそれは・・・」
「これは、その・・・グレン様にお渡ししようと思っていた男性用のパンツです。あの、我慢できなくて、これを履いてしまいました。なので、グレン様には、また今度、新しいパンツを用意しますね」
「・・・」

 いつものように「そうか」と言って終わるかと思った会話は、終わらなかった。

「いや、それでいいから、いただくよ」

 そう言うと、メイティーラが握っていた男性用パンツをさっと取り上げて、ジャケットの内ポケットにしまってしまった。

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