幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
妹の恋人は後輩CA
五月下旬。
妊娠特有の悪阻の症状も軽減し、私は地上勤務となり、仕事に復帰した。
妊婦の私の新たな仕事場は運航・乗員部門。複数の部署で構成され、その中でも祐斗たち(運航乗務員)の乗務や資格管理を行う乗員部に配属された。

父はこのまま私に退職を促したが、それは頑なに拒否した。
祐斗は少し精神的に不安定な私を心配して、自分と関わりのある配属場所に私を配属して欲しいと父に申し入れて、乗員部の配属となった。

私は慣れないデスクワークをこなす。

こうして、地上勤務となり、今まで見えなかったモノが見えて来た。


「どうぞ」

私はディスパッチルームに居る水瀬機長と祐斗にコーヒーを出した。
二人のフライト先は新千歳空港。

「ありがとう。草壁さん」

「サンキュー結」

二人は航空機に移動する前に、飛行ルートや最新の気象情報、航空機の整備状況、搭載燃料、お客様の人数等…安全に飛行する為の情報を懸命に収集していた。

航空機に移動した後も、整備士たちと航空機の整備状況などを確認。

その後に私達CAとブリーフィングを行い、お客様が安心して快適に空の旅ができるよう全ての情報を共有する。

多くの人が携わり、完璧な安全を確保して、初めて航空機が空に飛び立つ。

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