幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
三日後。

結は再びオペ室に入った。
麻酔から醒めた後も意識は混濁していた。でも、朧気な意識の中でも俺の声には反応した。
執刀者は前回と同じく槇村先生が行い、術中に子宮内に充填したガーゼの抜去手術を行うだけ。簡単なオペだと説明を受けた。

でも、オペ終了予定時間から大幅にオーバー。

大量の輸液パックがオペ室に運び込まれていた。
重篤な事態が起きてるんだと…

俺は焦る。

でも、俺に出来るコトは何もない。

俺はソファに腰を据えて項垂れた。

「…祐斗君、これでも飲んで」

幸人さんがオペの様子を見に来て、俺の缶コーヒーを差し入れてくれた。

「ありがとう御座います」

「…妻は大丈夫でしょうか?」

「…奏弥先輩の力を信じるしかないね…あの人若いけど技術力と経験値は高いから…大丈夫だよ…」

予定時間一時間半を過ぎようやくオペ中のランプが消えた。

性器、子宮、腹腔内に大量出血を来し、DICが再燃した。

槇村先生からはその処置に手間取ってしまったと説明を受けた。

何度妻の命を危険に晒すんだろう。

俺は妊娠出産を甘く見ていた。

二人で赤ちゃんを誕生の喜びを分かち合い、三人での幸せな生活を夢見ていた。

その夢と今ある現実のギャップに戸惑うばかり。


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