幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

「・・・今回のフライトも快適だった？」

「ん、あ・・・うん」

「水瀬さんの機長も板について来た感じ？」

この春に機長に昇進したばかりの水瀬さん。昇進当初は結構気が張り詰めていたけど、最近は慣れ、肩の力も抜けて来た。
水瀬さんは三十五歳。
我が社の養成パイロットから始め、十五年ほど…勤務して平均四十歳前後で機長に昇進する。
三十五歳の水瀬さんの機長昇進は最年少で、我が社では話題に。
そのせいあり、水瀬さんには大きなプレッシャーとなっていた。
でも、そのプレシャーを見事跳ね除けて、水瀬さんは頑張っていた。

そんな水瀬さんの片腕として祐斗も機長昇進を目指し、邁進している。

「水瀬さんの話よりも・・・お前の相談を訊きに来たんだけど…」

「あ…うん」

私の偽恋人候補は祐斗しかいないと思い、意を決して呼んだけど。

いざ本人を目の前にすると何だか言い出しにくくなっていた。