幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

繋がり～祐斗side～

「ルキ…パイロットの制服似合ってるよ」

「ありがとう御座います…本物の副操縦士の草壁さんに褒められるととっても嬉しいです」

ルキは制帽を被り直しながら返す。

彼が主役で出演するドラマ『ラブフライト』のロケが始まった。

我が社のバックアップもあり、ロケ地は羽田空港、本社ビルのオフィスを貸し切り、撮影が行われていた。
本日のロケ地は本社ビル。
俺は本社に用事があり、偶々そのロケでルキに会い、撮影の合間を縫い話をした。

外見はチャラい雰囲気だったが、仕事に対しては真面目な姿勢で、妥協はしない彼のスタンスに好感が持てた。


彼の父親は『ギャラクシー』の白石社長。
俺の兄貴の高校時代のクラブの後輩・白石幸人(ｼﾗｲｼﾕｷﾄ)さんの父親でもある。
彼は愛人の子。

幸人さんとの関係を考えればフクザツだった。

「実はルキ…俺の兄貴と幸人さんは高校時代、共に陸上部で汗を流した先輩と後輩なんだ…」

「そうなの?へぇー…世間って広い様で狭いですね。じゃ草壁さんも幸人さんと会ったコトあるんですか？」

「あ…まぁな…」

「そうなんだ…幸人さんが医者じゃなく、父さんのように俳優になっていたら、多分…俺はいなかったと思うよ…」

「なんで？」

「・・・父さんは自分の後継を芸能界に残したいと思っていた。幸人さんが後継になっていれば…石垣島に居た俺と母さんの元には来なかったよ」

「ルキ…」