社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
上着を脱いで、例の爪付きモフモフ手袋と、大きなフワフワの耳を頭に付ける。
台所に鏡がないのが幸いかもしれん、と思った実篤だったけれど、残念。
しっかりと食器棚のガラス戸に自分の恥ずかしい姿が映っていて、見たくもないのに己れの全貌を見てしまった。
(いや、マジ、何なんこれ)
田岡と野田が「社長よぉ似合うちょってですよ〜?」とクスクス笑う声が聞こえてきた気がした。
***
「実篤さぁ〜ん。用意はええですか〜?」
応接室の方からくるみの呼ぶ声がして、実篤はビクッと身体を跳ねさせる。
「ひゃいっ!」
はい!が思わず「ひゃい!」になってしまって、「俺のバカ!」と頭を抱えたら、その手がモフモフで泣きたくなった。
だけどくるみはそんな実篤を落ち込ませてくれる気なんてさらさらないみたいで。
「いきますよぉ〜? せぇーのっ!」
と、とってもとっても楽しそうだ。
(くるみちゃん、シラフよな?)
ビールを応接室に置いてきたけれど、まさか勝手に開けて、ひとりで飲んだりする子ではないと思う。
それなのに、だ。
やたらテンションが高いくるみに、実篤はずっと押され気味。
スパーン!と襖が勢いよく開いて……薄暗い廊下にいた実篤は、応接間の灯りに一瞬だけ目をすがめた。
と――。
上着を脱いで、例の爪付きモフモフ手袋と、大きなフワフワの耳を頭に付ける。
台所に鏡がないのが幸いかもしれん、と思った実篤だったけれど、残念。
しっかりと食器棚のガラス戸に自分の恥ずかしい姿が映っていて、見たくもないのに己れの全貌を見てしまった。
(いや、マジ、何なんこれ)
田岡と野田が「社長よぉ似合うちょってですよ〜?」とクスクス笑う声が聞こえてきた気がした。
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「実篤さぁ〜ん。用意はええですか〜?」
応接室の方からくるみの呼ぶ声がして、実篤はビクッと身体を跳ねさせる。
「ひゃいっ!」
はい!が思わず「ひゃい!」になってしまって、「俺のバカ!」と頭を抱えたら、その手がモフモフで泣きたくなった。
だけどくるみはそんな実篤を落ち込ませてくれる気なんてさらさらないみたいで。
「いきますよぉ〜? せぇーのっ!」
と、とってもとっても楽しそうだ。
(くるみちゃん、シラフよな?)
ビールを応接室に置いてきたけれど、まさか勝手に開けて、ひとりで飲んだりする子ではないと思う。
それなのに、だ。
やたらテンションが高いくるみに、実篤はずっと押され気味。
スパーン!と襖が勢いよく開いて……薄暗い廊下にいた実篤は、応接間の灯りに一瞬だけ目をすがめた。
と――。