社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
「ひ、ぁ!?」

 くるみに悪戯っぽくウインクされて、実篤(さねあつ)は手にしていたコンビニの袋をドサリと床に落としてしまって。
 それに驚いて、変な声が出てしまった。
 もちろん、それだけが奇声の原因の全てではないけれど、そこは悔しいのでスルーすると決めた実篤だ。


(そっ、そう言えばそうじゃった。今日は〝ハロウィンパーティー〟っちゅう名目だったんじゃ!)

 今更のようにそれを思い出すとか、実篤も大概惚けている。
 というより、本当に〝くるみが家に来た〟と言うだけで一杯一杯だっただけなのだが。


「五分したらココ開けて、せぇーの、で見せ合いっこしましょうねっ♪」

 (ふすま)の向こうからくるみの嬉しそうな声が聞こえてきて――。

 実篤は慌てて足元の袋を拾い上げると、台所にダッシュした。
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