社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
 典型的な黒のボディスーツに手首だけフリルに編みタイツ。お尻に真ん丸ウサしっぽ、みたいな格好でないだけマシなのかもしれないけれど……実篤(さねあつ)的には「刺激が強過ぎる!」という意味では全く大差なかった。

「えへへっ。可愛いでしょう? 実篤さんのためだけの、メイドさんバニーガールですっ」

 クルッと実篤の前で回ってみせるくるみが可愛くて、思わずギュッと腕の中に閉じ込めてしまいたくなる。


 その衝動を、どうにかこうにかモフモフの爪付きグローブをグッと握り締めて耐えた実篤に、くるみが容赦なく追い討ちをかけてきた。


「実篤さん、何でうちの方、見てくれんのん? 気に入らん?」

 不安そうに眉根を寄せるくるみに、別に連動しているわけではなかろうに、ウサ耳カチューシャがシュンとうなだれてしまったような錯覚を覚えた実篤だ。


「い、いやっ。めちゃくちゃ(ぶちくそ)可愛い、です。かっ、可愛すぎて目のやり場に困っちょる、だけ、です」

「もぉ、実篤さんってば、何で敬語になっちょるん?」

 クスクス笑って、くるみが実篤のモフモフの手をギュッと握り締めてくる。


 そこで不意に真剣な顔になると、実篤の手を握る手指に力を込めてきた。
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