社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***

 くるみが風呂に入っている間、実篤(さねあつ)は彼女に許可を取って冷蔵庫を開けさせてもらっている。

 先日ここへ来た時、くるみへの手土産に田岡オススメのミルクココアを持ってきていた実篤だ。

 冷蔵庫に牛乳が入っているのもくるみに確認済みだから、彼女が風呂から上がったらホットココアを作ろうと思っていたりする。

鏡花(きょうか)(あった)かい飲み(もん)飲むと少し(ちぃと)楽になるって言いよったしな)

 湯船に浸かりながら、防水になっているスマホで調べてみたら、生理の時にはハーブティーや温めた豆乳、それからホットココアなどが良いと書かれていた。

 前者二つは材料的に無理だが、ホットココアなら有るものでいけそうだなと思った実篤だ。

 妹にも時々こんなことをしてやってたっけと思い出しながら、棚からマグを取り出す。

 案外こんな風に好きな子のために色々甲斐甲斐しくするのが、実篤は嫌いではない。

 八雲(やくも)に、「兄ちゃんは根っからの長男気質だよね」と、苦笑されたのを思い出して、実篤は一人小さく吐息を落として。

(まぁ、それでも(ほいでも)くるみちゃんが嫌がらんのんじゃったら俺、他の人にどう思われよーがどうでもええわ)

 そう思った。
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