社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
襖を開け閉めする音がして、台所を通過し終えたのかな?と思ったと同時。
「もう目、開けてもろうて構わんですよ」
くるみにそう声を掛けられて、実篤は心底ホッとした。
やっぱり目を閉じたまま人に手を引かれて歩くというのは、いくら相手のことを信頼していても怖かった。
それに、くるみは何故か実篤が声を掛けてから慌てたように小走りになってしまって、本当ついていくのが大変だったのだ。
そんなことを思っていたら、
「――あ、あの……実篤さん……手……」
恐る恐るといった具合にくるみに繋いだままの手をそっと引かれて、「あ、ごめん!」と無意識にギュッと絡めてしまっていた手指を緩めてくるみの手をほどいてやる。
そうしながら、彼女と手を繋ぐ理由がなくなってしまったことを、ちょっぴり残念に思った実篤だった。
襖を開け閉めする音がして、台所を通過し終えたのかな?と思ったと同時。
「もう目、開けてもろうて構わんですよ」
くるみにそう声を掛けられて、実篤は心底ホッとした。
やっぱり目を閉じたまま人に手を引かれて歩くというのは、いくら相手のことを信頼していても怖かった。
それに、くるみは何故か実篤が声を掛けてから慌てたように小走りになってしまって、本当ついていくのが大変だったのだ。
そんなことを思っていたら、
「――あ、あの……実篤さん……手……」
恐る恐るといった具合にくるみに繋いだままの手をそっと引かれて、「あ、ごめん!」と無意識にギュッと絡めてしまっていた手指を緩めてくるみの手をほどいてやる。
そうしながら、彼女と手を繋ぐ理由がなくなってしまったことを、ちょっぴり残念に思った実篤だった。