至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-





「すばるちゃん、おはよ〜」

「……あ、おはよう真凛ちゃん」


いけない。

真凛ちゃんの顔をまっすぐ見られない。



朱雀院様の言葉が頭に張り付いて……。



「ねえ、小テスト勉強した?」

「っあ、うん、ちょっとは……!」


小テストの存在すら、頭から抜けてしまってたくらいに。



「すばるちゃん、もしかして体調悪い?」

「ううん、そんなことない! 小テストが急に不安になっただけ……っ」



がんばって頭から離そうとする。


精神統一しようと試しに目をつぶってみても、静日くんの姿が頭に浮かんできてしまう。



……いつかは離れる。

当たり前だ。


甘いキスも、恋人みたいなセリフも、ぜんぶ偽物で……。

じゃあ静日くんが、わたしをそばに置く理由は─────?

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