至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
「今日のデッサン何描くんだろう〜楽しみ!」
「すばるちゃん、お弁当の時間と美術の授業だけはいきいきしてるもんね!」
「だけってことはないよっ!?」
「あはは、そっか。でも美術の授業が1番好きでしょ? すばるちゃんの絵あたし大好き!」
「ひえ、ありがとう……恐れ多いです」
美術の授業が1番好き。
頭を使わなくていいからっていうのもあるけど、絵を描くのが好きだから……。
いや、正確には……好き“だった”。
今でもペンを持ったら楽しいけど、同時に、辛い思い出も蘇る。
絵を描くっていうのは、わたしの唯一の趣味だった。
特技と言えるほど上手なわけでもなかったけど、ただただ楽しくて時間を忘れて描いていた。
それでも、将来は絵を描く人になりたいなあって夢がぼんやりとあって……。