至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
『ねえお母さん、みやびまた表彰されたの?』
『そうだよ。夏休みの読書感想画コンクールで学校代表になった絵が、市でも1番に選ばれて、ついには県の優秀賞に選ばれたんだって』
『……え?』
『絵は得意じゃないけどがんばったってみやびは言ってたから、すばるも色々チャレンジしてみるといいよ』
わたしが描いた絵じゃないと信じたかったけど、
見せてもらった表彰状の作品名の欄には、みやびに頼まれた小説のタイトルが並んでいて……。
──頭が、真っ白になった。
『お母さんは、……みやびが描いた絵、見たの……?』
『ううん。みやびったら勝手に提出しちゃったみたいで見れてないんだ。でも、すごく素敵な絵なんだろうね』
……その時、大声で泣けばよかったのかもしれない。
涙ながらに訴えれば、お母さんもわたしの言い分が嘘だとは思わなかったはず。
いつもは自分でも嫌になるくらい泣き虫だったのに、
その時だけは、どうしてか涙も出なかった。