至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
「湊君、お疲れ様です」
「おう」
薄暗い通路を抜けた先に、スーツを着た男の人がいた。
朱雀院様に対して深く頭を下げて敬語で接してるけど、見た目はわたしたちよりも上に見える。
その人はわたしに対しても丁寧にお辞儀をしてくれた。
「あ、どうも……っ」
慌ててお辞儀を返しているうちに、朱雀院様はすたすたと速足で歩いて行ってしまう。
やっと追いついたのはエレベーターの前。
そこにも黒いスーツを着た男の人がいた。
門番……みたいな感じなのかな。
ちらりと上を見れば、四方を向いた監視カメラがずらり。
ざっと10……20。
全部が本物かどうかはさておき、異常なほど徹底されたセキュリティにますます緊張が這い上がってくる。
部外者は、誰一人として中には入ることは許さない……そう言われてるみたい。
「お疲れ様です」
「お疲れ」
「龍泉閣にお客様とは珍しいですね。……湊君とはどういったご関係で?」
「別に。おれのじゃねーよ」