至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
「無理なもんは無理だ。もう切るぞ」
無慈悲にも通話を終わらせた朱雀院様。
エレベーター内が静まり返ると、言いようのない気まずさに襲われて、つい。
「あの……デート、今からでも行ってはどうですか……」
「あ?」
「っ、約束してたなら破るのは悪いと思うし。女の子も、楽しみにしてただろうし」
「おれはあんたが今度こそ逃げないように見張りながら静日のところまで連れてくっていう義務があんだよ」
うっ、本当に信用されてないんだな、わたしって……。
「それなら心配無用です、もう逃げません約束します」
ていうか、この状態で逃げられるわけないし……!
「京様は70階にいらっしゃるんですよね? 付き添ってもらわなくても大丈夫です、ひとりで行きます」
「………」
わずかな沈黙ののち。
「今電話かけてきた女、ウチと取引あるとこの令嬢でさ。機嫌損ねると厄介なんだよ」