一夜限りのはずだったのに実は愛されてました
私は可奈ちゃんと真子ちゃんにメッセージを送った。

【迷惑をかけてごめんなさい。しばらく休ませてください】

そう送るとすぐに返信が返ってきたが私は見ることができなかった。

電源を入れたことで一気にメッセージや着信のお知らせが届いた。
全て拓巳さんからで私はそれを見て胸が苦しくなったが、それには目を背けまた電源を切った。

玲子の部屋に布団を並べて敷き、学生の頃以来、久しぶりに眠たくなるまで話した。
懐かしい話も、これからの話もたくさんした。

気がつくと朝になっていて、キッチンにはメモが残っていた。

『仕事に行くけど7時には帰るね。鍵置いて行くから部屋も好きに使ってね』

玲子、遅くまで付き合わせたのに出勤したんだ。

私は体調が優れず、玲子には悪いと思ったが布団から出られずにいた。
これからのことを考えると胃が痛くなる。

玲子はここにいつまででもいていいからゆっくり今後のことを考えたらいいと言ってくれた。
私はその言葉に甘え、ダラダラと玲子の家で1週間を過ごした。
明日は定期検診の日。
このところ赤ちゃんに負担をかけていたので少し不安になるが、同時に、赤ちゃんに会えると思うだけで気持ちが少しだけ明るくなった。

< 40 / 53 >

この作品をシェア

pagetop