独占欲強めな御曹司は、溢れだす溺愛で政略妻のすべてを落としてみせる

「もーっ! なんか元気ないから心配したのに!」
「へえ、心配してくれるんだ?」
「それはするでしょっ!」

 意外そうに目を丸くするので、当たり前じゃない、とぷんすこ怒る。

 心配するに決まっている。

 結局、奏一はいつだってちゃんと結果を残すのだ。最終的には成功するのに、もしそのプロセスに対して何か落ち込んでいるなら、それも一つの才能だと認めてあげたいと思うのに。

「嬉しいな。結子が俺のことを想ってくれるなんて」

 けれど奏一の態度と調子は、いつもの通りに戻っている。結子の心配など不要だとでも言うみたいに。

「ね、結子。俺、明日休みなんだけど……結子は?」
「……え? あ、私も休暇だけど……」

 ハンドクリームをテーブルに置いた奏一に訊ねられたので、首を傾げながら答える。

 明日の結子のシフトはお休みになっている。フローリストとしての仕事は年中無休だが、フラワーデザイナーとしての仕事は人の集まるイベント関係に携わる場合が多いので、土日が仕事で平日が休暇になることも多いのだ。

 だから素直に申告すると、奏一がやけに楽しそうな笑顔を見せる。そしてそのまま身体の位置を変え、結子の身体をベッドの上に押し倒した。

「え、ちょ……なに……?」
「じゃあ初夜のやり直し、しよっか」
「は……!? しょ……っ?」
「そ。大事な奥さんをいっぱい可愛がる時間」
「!?!?」

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