【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
業務に身を投じてきた自分に、重ねているのだろうか。
努力や姿勢を認めてはいるが……よくわからない。
『――まぁ……仕事熱心なのは、評価しましょう』
そう――。気づいたときにはらしくとないことをつぶやいて、口元が綻んでいたんだ。
あのときは、どうかしていたのだろう。
國井桜には、五年前から振り回されている気がしてならない……。
会長があんなことを言い出したのは、おそらく偶然にもあの日の出来ごとを思い出しただけのこと。
真面目な彼女が、断りきれるかが疑問だが。
まぁ、いい。今回は顔見知り。会長よりも早く接触を持ち、手筈を整えるのが効率的だな。
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しかし、実際、そう悠長に構える間もなく――お節介老人は動きだす。
「……はい? お送りしなくて……よろしいと?」
その日の夕方。永斗さんに同行した本社での経営会議。