【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
國井桜の機転で予定より随分早く終えた会議に安堵していたのだが――通常なら共に帰宅する会長に、送迎の申し出を断られてしまった。
「あぁ、このあと少し、ここで大事な打ち合わせがあるんじゃよ」
大事な打ち合わせ……?
そう聞いて、なぜだか背筋がひんやりする。
「なら、僕と島田は先に帰ってるけど平気?」
横から口を開いたのは永斗さんだ。どこぞの王子のようなまばゆいオーラは、ラウンジのようなこの会議室にも劣ることはなく周囲の視線を集めている。
「あぁ。帰りはうちの者を呼ぶ。ふたりとも、ご苦労だった」
そう言って会長は機嫌よさげに微笑むと、深みのある佇まいを翻し、藤森を連れ立ち会議室を出ていく。――ほんの一瞬、俺に怪しげな目配せを寄越して。
「…………」
「大事打ち合わせなんて、入ってたかなーー?」
閉まった扉を見ながら、不審に思ったらしい永斗さんがポツリと。