【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
あの一件は、むしろ私の背中を後押しする出来事となったと思う。
もっと……彼のことが知りたい。
今まで抑えられていた気持ちに拍車がかかった。
【ありがとうなぁ! 嬉しいよ。これでわしも安心して、墓に入れるのぉ】
大げさに喜ぶ会長に笑みを浮かべながら、バスを降りて、古びたアパートまで帰宅したのだった。
そして、その後会長の手引きにより、またたく間に日取りが決まり、あれよあれよと言う間にこの日を迎えた。
けれどもあれから会長に、ひとつだけ黙っていることがある。
それは、“本当は島田さんは全てを知っていて、一度は忠告まで受けている”ということ。
会長は何度も『島田に何かいわれていないか?』と気遣ってくれたから、本当だったら彼の気持ちを打ち明けるべきなのだろうけれど……。
でも……言えない。この話がなくなってしまったら嫌だもん。