【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
『なんと……、島田は今回も乗り気ではないのか。なら、やめておくか……』
やだやだ! 妄想でも辛い! せっかく窮地を乗り越えたというのに!
だから、島田さんが会長に何も言わないのをいいことに。会話の調子を合わせながら、この一週間、必死に知らないフリをしてきた。
もしものことを懸念して、友子にもまだ報告をしていない。
ずるいかもしれないけれど。せっかくのチャンスを逃したくないから――。
なんてことを巡らしていると――
「國井さん、遅くなってすまないね」
――きた……っ! 見知った声に反応して、勢いよくソファからピョコッと立ち上がる私。
ぐるりと声の方を振り向くと、カジュアルスーツの漆鷲会長と島田さんがロビーに入ってきたところだ。会長の送迎は先日、島田さんが申し出てくれた。
ベージュのカジュアルスーツを若々しくさらりと着こなす会長と、その隣に視線を移した瞬間、