【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
と会長は心底嬉しそうな顔をして、まるで一陣の風のようにレストランを後にしてしまった。
私もあんなに幸せそうな顔をされたら、ヒラヒラと手を降って笑顔で見送るしかないわけで……。
それでもって、彼の大きな手はまだ私の肩を抱いていたりなんかしていて。
ど、どうしよう……。
「え、えっと……………………」
いつの間に、そんな関係になったのだろう。
私が先日受けたのは確か忠告で……。
結婚前提の約束なんていつ……。
もしかして、あのキスが、そうとか?
っていうか、さっきのエスコートも、もしかして、このために……?
ギギギ……と恐る恐る首を動かして、頭2つぶん上にある麗しいお顔に視線を移すと――
「――さて、場所を移して大切なお話をしましょうか……桜さん」
セルフレームの眼鏡をぐいっと中指で押しあげた秘書室の悪魔が、暗黒のモヤモヤの中で怪しげに微笑んでいた。
なんだか、とてつもなく良からぬ事が起こりそうなのですがっ……!


