【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
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「漆鷲会長、本日の午後十五時から予定しているグループ経営会議ですが、まず――」

 会長の出社した日は、だいたい会議や打ち合わせのある日が主。藤森さんのスケジュール確認からはじまる。

 私はそれをデスクで聞きながら、日課のメールチェックや資料のファイリングをする。

 “漆鷲栄”のネームが掲げられた日当たりのいい個別役員室には、重圧なプレジデントデスクを窓際に。同調の秘書デスクがその横にニ台。そして、部屋の中央には応接ソファが向かい合っている。

 今日は月一度の、戦略事業計画や予算資源などについて決定をする経営会議が行われる予定だ。

「ふむ、進行は承知した。いつも助かるよ、ふたりとも。それと……さっきも島田のことで、秘書室は大騒ぎだったろう?」

 報告を終えると会長は厳しい表情を一転し、私たちを気遣う。

 周囲からは厳格で厳しいと噂されている漆鷲会長だが、仕事の話しを除いては優しいおじいちゃまのような人だ。

 私たちは前回会長が出勤された一週間前に、すでに赴任の話を聞いていた。
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