【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
「――クリスは研究ばかりで、企業経営にあまり関わって来なかったせいもあるが、色々と頼りなくてなぁ……。しかし、今後の事業の主導と仲介役でもあるから、しっかりやってもらわねばならん。だから今回は、島田を引っ張ってきた。とっつきにくい奴だが、悪いやつではない。来週から、みんな頼んだぞ」
会長は両者を気遣いながら、そう会話をしめくくった。
にしても、御曹司の名前は「クリス」っていうんだ……なんか思い出しそうなんだよなぁ……。
昔の記憶を手繰り寄せようとしていると――
「……ところで、國井さん」
会長から声がかかり、資料整理の手止めて顔を上げる。
「はい、なんでしょうか」
「悪いが、本日の終業後ちょっと残ってもらえないか?」
シワを深めて、高齢とは思えない整った面立ちでニコリと微笑む会長。