【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
――本当に、嫌な予感しかしない。
時期的にそろそろ“新しい案件”が舞い込む頃だしな。
扉を締めた瞬間、はぁ……と心の底から大きなため息を落とし、出たばかりの扉によりかかる。
……とはいえ行くしかない。逃げたところで月末からは本社勤務が待っている。逃げ場はない。
まったく。永斗さんが結婚してから俺の人生は不運続きだ……。
――財閥の流れを汲む、名家“漆鷲家”とは幼い頃から交流がある。
実家は500坪近くあると言われる漆鷲御殿の真横。母親どうしは古くからの学友。
そんな偶然も重なれば、同級になる永斗さんと俺が物心ついたときからの付き合いになるのはごく自然なことで。
これまで多少の歩む学舎の違いはあれども、彼が妙に頭の硬い俺に懐いていることから、気づけば隣には、いつも永斗さんがいた。
陽と陰。
柔軟と堅物。