【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)

今日は午後からもここを訪れる予定があるというのに。何たる、時間の無駄だ……!

「はぁ……何の話でしょうか……」

「とぼけおって。見合い相手に決まっているだろう!」

決まっていない……!
 
「お前には逃げられてばっっかりだからな。今回は慎重に考えたんじゃ……。そしたら考えるまでもなく思い出すことがあってなぁ。まだ相手には声はかけていないんだが――うんたらかんたら〜」

眼鏡のブリッジに触れて心を落ち着けていると、安定のあーだこーだと説教じみた無駄話がはじまる。

上機嫌そうなその姿に色々と突っ込みたいのはやまやまだが、相手は漆鷲一族のトップであり、この大企業の会長。下手なことは言えない。

しばし、右耳から左耳へと話しを流したところで、

「……何度も申していますが、会長の心配には及びません。今後とも業務の方に身を捧げていきたいと思っていますので――」
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