クールな美形王子の誘惑
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「はぁ?元素記号20までは基本でしょ。
そこから勉強しないとわかんないの?」
「わかりません京ちゃん先生!」
「こっちの2人はわかってるみたいだけど?」
「え!!
あず…!さくら…!!
裏切り者ーーー!!!」
うわーん!と泣き叫ぶ彩奈ちゃんに、京佑くん(名前聞いた)がぽこっと拳で額を小突いた。
「うるさい。図書室では静かに」
「ごめんなさい」
額をさする彩奈ちゃんと、また教科書を指差す京佑くんを見て、
なんとなく、仲が良いというか…息が合いそうな2人だなと思った。
「京佑くん、
こっちは2人でやってるから、彩奈ちゃん見てあげて」
「ちょっと、僕に一番面倒なヤツ押し付けないでくれない?」
「面倒とは失礼な!
ベビーカステラ買ってあげないよ!?」
「じゃあ教えない」
「ウソです奢るから教えてください!」