魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
 ヴィオルドがミーナによって救われていた頃、王都警備隊本部の近所にあるカフェでパフェを食べながらフィルとドルークが話していた。

「なんとなく訳アリだとは思ってたけど、ヴィオルド先輩の過去ってそんなことがあったんすね」
「知ってるのはあたしとユリウスさんと、今はミーナもかな。ヴィオルドはあまり言いたがらないんです」
「俺に話してよかったのか?」
「知らないフリしてくださいね」

 フィルはにっこりと笑いながら、ドルークに釘を刺した。

 その後二人の会話はヴィオルドの愚痴になり、パフェが空っぽになってからも続いた。二人が時計に視線を移すと、長時間話していたことに気づかされる。

 フィルは帰り支度をしながら口を開いた。

「そろそろ戻りましょ。ヴィオルドに見つかったらまた小言でうるさいですよ絶対」
「そうですね」

 フィルがドルークに伝票を渡しながら席を立った。

「え、待ってくださいよ、フィル。俺が払うんすか?」
「情報料ですよ。知りたそうにしてたじゃないですか」

 当然のことのように笑顔で断言するフィルに圧されて、ドルークは無言で伝票を受け取る。フィルは楽しそうに「ごちそうさまでしたぁ」と店を先に出た。
< 85 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop