「雨、降りましたね」
 と少年が言葉を紡ぐと、お姉さんはそうだな、と答えた。そして、
「これであいつに借りを作ってしまった」

「あいつって誰ですか?」

「呼んだかな?」
 少年の後ろから、低くて甘い声。思わずうわ、とお姉さんに抱きついてしまう。

「呼んでない」
 と金色のお姉さん。そこには見知らぬ男性。銀色の長い髪の男性。

「まぁまぁ、そんな冷たい事言わずに」
 と銀色の男性。
「私は、君の歌が聞けて満足したよ」

「最初から狙っていたのだろう。私が歌うまで、雨を降らせないつもりだったのだろう」

「いやいやそんな言いがかりはよしてくれ。私はあの神楽という娘に免じてこの村を助けようと、最初から思っていたのだよ。そこにしゃしゃり出てきたのは君じゃないか」

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