少年は空を見つめた。足を伸ばし、ぶらぶらさせる。
 空は雲一つない。真夜中だというのに、月が照っているせいか空がはっきりと見える。星の輝きは、その月の明かりに負けてしまって、よく見えない。
 きっと、明日も、明後日も晴れることだろう。

 少年は、一つ溜め息をこぼしてみた。
「まあ、お姉さんは信じないかもしれないですけど」
 と前置きをつける。
「俺って、いわゆる生贄なんです」

「いけにえ?」
 その人が聞き返してきたので、少年は頷いた。

「最近、この村に雨が降らなくなって、畑や田んぼは乾涸びて。作物はとれなくなって」

「そう言われると、最近は供物が減ってきていたな」
 と、静かに呟く。
 けれどその言葉は少年の耳には届いていなかった。

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