現実主義者の恋愛事情・王子を一時預かりします  レイと綺麗

梅酒は愛のはじまり<33~37>

<梅酒マジックの効果>

家に戻ると、
綺麗はこたつに足を突っ込んで
倒れこんだ。
「あーーご飯、無理だ。
どうしよう」

「デリバリーで取りましょうか」
王子が同じようにこたつに入り、
提案してくれた。

「そうだね、ピザ、ラージで」
綺麗は寝っ転がったまま、
スマホをバックから取り出し注文をし始めた。

ルルルルルル・・

王子のスマホの呼び出し音が鳴った。

「失礼・・」
そう言うと、玄関の方に移動した。

やはり、フランス語らしい。
ちょっと言い争っている感じがする。

王子は肩を落として、
がっかりしたように、こたつに戻ってきた。
「どしたの?」

「エージェントが・・
すぐに戻ってきなさいと言うので・・・」

「仕事じゃ、しょうがないよね」
綺麗は寝たまま、天井を見て言った。

「明日の航空便、チケットをもう取ったからと、言われてしまいました」

王子はこたつに入り、うなだれた。

綺麗はその様子を見て、
ちょっと、景気をつけてやろうと考えて

「ねぇ、梅酒あるよ。
好きでしょ。
母の作ったやつがあるんだ」
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