雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
 ピロリロリ〜ン

 電子音が聞こえた。

「もしかして、パンツ乾いた?」
「そうかもな」

 ふてくされたように進藤が答える。
 私は洗濯機を見に行って、ホカホカのパンツをゲットした。



「じゃあ、私、帰るね。カニをごちそうさま」

 パンツを履くと、私は早々に帰ることにした。
 進藤は不満そうだったけど、そんなこと知らない。

「あぁ。再来週の手料理を忘れるなよ?」
「わかってるわよ。リクエストある?」
「俺が好きそうなものを考えてくれよ」

 ニヤリと進藤が笑った。

(好きそうなもの?)

 また挑まれた! 
 よし、好物を見つけ出して、参りましたって言わせてやるんだから!
 私は闘志を燃やして、帰宅した。





 
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