雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
「立石さん、すみません。こいつ、酔っ払っているみたいなので、連れて帰りますね」

 いつの間にか、進藤が横に来ていた。

「しんどー、なに言ってるの? ぜんぜんよってないし!」
「思いっきり酔ってるだろ!」

 せっかく楽しい気分だったのに、ヤツの顔を見たら、なんだかムカムカしてくる。

「よってない! ほうっておいてよ!」
「放っておけるか!」
 
 怒鳴ったらぐらっとして、進藤に支えられた。
 
(もう! ひとりで大丈夫だし!)

 腕を振り払おうとしたけど、身体が重くて言うことをきかない。

(あれれ? なんだかボーッとする?)

 進藤はにこやかに立石さんになにか言って、課長が締めの言葉をむにゃむにゃ言っていた。

 そして、気がつくと家にいた。
 

  
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